ぜんぶ嘘

一人恋愛議事録

2.自分から逃げるやつは恋愛する資格がない

 おまえにとっての恋愛ってつまりセックスのことかよみたいな話をしてしまったが、私はいわゆる性依存のような病的な状態ではないし、セックスができることによって自分の存在が保証されるだとか、承認の欲求が満たされるだとか、そういうややこしい葛藤を抱えて生きているわけではない。よくわからないが、セックスはして当たり前のことなんだから、できたことによって何か価値があるとかないとか、そういう話はよくわからない。

 さて、このままではとんだお下劣ブログになってしまうのでもう少し真面目な話をしよう。私だってなにも生まれたときから男の性を搾取したいみたいなことばっかり考えて生きてきたわけではない。愛とか情とかそういうことをさんざん真剣にやってきた上で、んなもん全部くだらねーんだよとちゃぶ台ひっくり返して暴れたい。そのほうが説得力がある。

 

 私が交際してきた男たちは簡単に言えばたいがい捻くれたマザコンヤローという感じで、ママを神聖視するあまりに女に対する期待値が爆上がりしてる人たちです。こういう人たちは簡単なので、きつねに酸っぱい(実はとっても甘いんだよ〜)ぶどうを与えるつもりで彼らの理想とする女神らしい態度(っていうかママが子供にするお世話みたいなこととか)を取るだけでいちいち感心したり感激したりしてくれるので面白いし、実際とても可愛らしいものです。

 可愛らしいのでついママになったつもりで色々やるんですけど、関係がすすむにつれて完全なママを演じることにも無理が生じてくるし、っていうか私はママじゃないからママ要素にブレンドした私要素を少しずつ濃くしていくんですけど、細かく刻んで肉団子に混ざったピーマンがそれだと気付いたとたん肉ごと吐き出すみたいな感じで、あるときから唐突に関係が破綻してくる。

 

 ママを演じた私は作戦負けだと思うけど、そもそもおまえはママと付き合ってないことを最初から認識していたはずなんだから別にいーじゃんっていうか、なんでそこで吐き出されなきゃいけないんだ?といつも疑問なのです。

 吐き出すっていうか実際にはモラルハラスメント的な言動によってそれが起こるわけなので、なんぜモラハラされなきゃいけないのか?って怒ったり諭したりするんですけど、アアおれが悪かったよみたいに丸く収まったことはまあない、あったらこんなことを長年疑問に思うことはない。

 

 マザコンっていうともうこの単語だけで死ぬほど嫌悪する人がいるようなワードだと思うんだけど、付き合う男が毎回これだとやっぱり私としてもそれらに立ち向かわなくてはならないんじゃないかと思う。チンポのために。

 立ち向かうっていうか、もっと簡単にマザコンという条件を受容してその男と付き合うことが立ち向かうことになると思うんだけど、この受容というのはいわゆる愛です。だけど、私がいくら努力して愛なるものを与えても、結局は彼らは自分自信と向き合ってそのよくわかんないママへの葛藤を解きほぐす気がないどころか、その葛藤を目の前の女にぶつけてる時点で実ることのなく不毛な大地に種を蒔いたようなものなのだなぁ…ということを何度となく失敗を繰り返し、いろんなものを失ったり警察沙汰になったりして恋愛キチガイとして箔がついたあたりでようやく学んだぜ。人生を楽しみすぎて実家送りになった。ギャハハハ!

 

 おめでたいバカなので自分さえ努力すれば大抵のことは解決できると思ってる節があって、恋愛にもそれを適用しようとするんですが、恋愛以外でも自分さえがんばればどうにかなることばっかりじゃないんだから無謀だろって感じなんだけど、私がどんなに励ましたって、とにかく相手に自分に向き合う地力がないと大体うまくいかないようにできてるんだな〜みたいに思いました。

 その証拠みたいにそれまで音沙汰なかった元恋人のまったく貴様は全然懲りてないな!としか言いようのなさそうな噂話や、意味不明な復縁要請?みたいなメールが届いたりして、まったく人生って正解を引いたときばっかりは全部タイミングよく答え合わせみたいなことが起こりますね。