ぜんぶ嘘

一人恋愛議事録

9.やってくる男を全員倒して一人になりたい

 付き合った男がおかしくなるな〜とはっきり思ったのは最後の男と切れたあとだったけど、彼氏が狂うことを公言しているとモテないからないことにしてただけです。別にモテたいわけじゃないけど、私には男(体)が必要なのでチャンスをわざわざ減らすようなことはしません。

 フラフラ生きてると私の人生を勝手に操縦しようとしてくる人はよくいて、彼らはつまり主に私の恋人たちのことですが、どうにかして私を助けてあげたいという善意から行動を起こしているのだろうけど、こういうのをありがた迷惑というのだろう。

 

 私は私が軌範する私の行動によってしか人生をやっていくつもりがないし、誰でもがそうでしかないと思って生きているのですが、どうやら他人に成り代わったり成り代わられたりできると本気で思っている人間はわりといるらしい。

 横から口出しをしてくる彼らの態度をたんなる戯れだと思って相手にしていると関係が破綻したりするけど、自分の人生は自分にしか責任が取れないので勘弁してほしい。それに、彼ら自身も自分の人生から逃避している場合が多いけど、自分の人生をやるほうが有意義なのではないか。せっかく男の子に生まれたんだからもっと闘えよ。闘って勝ったり死んだりしろ。それが男の特権だろ?勝ちたい人しかこないでください。

 

 暇なので数年前にしていたのと同じように無節操に男の人に会って遊んだりしているけど、感情的なつながりを求めず関係性が希薄であればあるほど、義務的に参加した飲み会の美味くもない居酒屋の酒をガバガバ飲んでただ機械的に酔っ払ってるみたいな気分になる。たしか若かった私はそれに飽きてしょうもないクズ男と付き合って消耗するプレイに興じるようになったのだった。

 柄にもなくまっとうな純愛っぽいものに目覚めてみたりもしたけど、プラトニズムとかは実践しようとすると多分この世に留まっていられなくなるなと思いました。もちろん死んでしまってもよかったんですけど、幸か不幸かそんな覚悟のある男はいませんでしたし、クズと付き合ったところで簡単に放り出せるほど人生に絶望することもなかった。

 

 結局だれもかれも私を壊してはくれなかったんだわ。っていうのは冗談ですけど、真剣にやればやるほど関係が壊れてしまう星の元に生まれたことは理解できた。実際の経験をふまえた上で誰とも深い仲にならないという選択をするのが、どれだけのことかわかってんのか。

 お前にはこれと同じだけの覚悟があるのか?ということを、今までの男は相手がよくなかったんだよ〜とかそれっぽい理由でこじつけて簡単に口説いてくる人間にぶつけていくストレートに重い女になろうと思います。