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ぜんぶ嘘

一人恋愛議事録

13.アンチヒロイズム

 前述のとおり私はわりと多くの人々に異常扱いされたり腫れもの扱いされたりする人間なんだけれど、腫れものは腫れもの同士の集まりがあってそこではみんなお互い痛くない距離感でサバサバ生きてるし、昼があれば夜は必ずくるものなので、日が暮れていくことにいちいち傷つくこと自体なんか違うんだなって思いました。

 一部の腫れものは、腫れものであるにもかかわらずその自覚が薄いのか、ただ単に痛いのが好きなのかはしりませんが、自ら違う腫れものにぶつかりに行って軋轢を起こすことがある。もしかしたらそれやって現状が打破されるやつもいるのかもしれないが、大概はそんっな単純な傷ではないので多分痛いだけで終わりです。

 

 そんなに傷が痛いなら自分でえぐってればいいだけなのに、他人を道連れにするなんていくらなんでも不器用すぎるとおもいます。われわれの傷はわれわれのオーダーメイドであってみなそれぞれに仕様が違うので。傷そのものを見るとお互いに違うことがよくわかって場合によっては余計傷ついてしまうので、その苦悩から抽出された曖昧な人格とかで仲間意識とか共感とかをしたほうが遥かに痛みがなく、建設的な話をできそうです。

 傷を負った体験は時が経てばそれ自体は大した問題ではなく、過去は変えられません。われわれの傷は深く、ふざけて剥がした他人のかさぶたが完治には程遠く生々しい傷を露出してしまうかもしれないということを、常に念頭に置いてコミュニケートをするべきなのだ。

 

 なんていういかにも理想的で冷たいことを言ったりしていると、特に交際相手などにはこいつはなんとかしなければと可笑しな気を起こされることがよくあるが、だからそういうのいらないからってなってよく喧嘩になります。なにも私はあなた方に助けてもらいたくて交際をしているわけでも、そもそも私を救えるなんて大それたことは思ってもいないのだ。

 私にとって救いとは一時の快楽や贅沢くらいなものなので、黙って楽しく不純異性交遊をしたいだけなのに、付き合ってるっていうだけで責任感じる必要とかありませんし、期待してません。私にとって私の責任を負えるのは私自身と、あとはこの世に生まれ出でてしまった原因たる両親くらいなものです。

 

 こういう持論に寂しさや疎外感を感じる彼らはとてもかわいいと思いきや実際には多分ただのヒロイズムに酔っているだけなので、酔ってるだけならいいけど、あるときそんなもの必要ないと反論したときに呆然とされたことがあるので、男の子というものはよくわからないんだニャンなどと思うのでした。