ぜんぶ嘘

一人恋愛議事録

15.いわゆる男を駄目にする女が恋をしたときのこと

  私がまだ恋愛に対して純粋だったときのことですが、言い寄ってくる男が複数人いてもそのうち誰か一人しか選べないなんて、人の生とはなんと不自由なものであろうとよく嘆いていたものです。ツイッターみたいに複数アカウントで人生を運用できたらこれほど便利なことはないだろうと思いませんか?

 私は他称ダメンズメーカーでしたが、このたび自他ともに認めるダメンズメーカーにレベルアップしました。私には今気になっている男の子がいますが、彼は歴代彼氏と違わずダメ化する素質まんてんダメンズ予備軍だと気付きました。

 

 私と関わると破滅するよなんて、厨二病をこじらせたアダルトチルドレンのみなさまにはたまらないセリフかもしれませんが、プライドの生き物である男性諸君は破滅したところでみじめなだけです。まあファムファタール願望がある時点でそいつは半分女みたいな男で、女みたいにしぶとく生きていける人のような気はしないでもないですが。

 最近マゾヒストが集まってきそうな顔面だよねとまで言われるようになってきたし、たしかに最近になって年若い自称Mの男の子たちがやたらと声をかけてくるので、まあそういう生き方をするのはありかもしれない。繰り返すようだが人は適材適所であって、人に求められる役割を担って生きて行くことが自然とうまくいく道だと思う。

 

 私がダメンズメーカーである所以は、ぐちぐち悪態ばかりついている男たちを放っておけず、真剣に話を聞いて励ましてあげるからなんですけど、こういうのはお金を払って飲み屋の女に聞かせるものなんだろう。彼女がこのタイプだと男性はたぶん男としての体裁を保てなくなって、関係が終わる。

 それでもそういう他所に女をつくって捌け口にするような器用さのない男は、自分がダメになる女と付き合いがちです。これはこのブログの最初のころに書いていたマザコン談義のように、恋人と母親の境目がないからだと思うが、私はまさしくセックスできるママになってしまうような女なので、やはりそういう男に好かれるのだ。

 

 それでも恋人と母親はやはり一人の人間が負う役割としては多すぎるというか、私がいくらニュートラルにそれをやってのけたとしても、彼らが母を求めるときに飄々とした恋人でいたり、またその逆であったりすると期待を裏切られたと感じるだろうから、彼らは私の態度に困惑してしまうのだ。

 困惑させてしまうならいっそ常に困惑させっぱなしでいればいいのだけれど、彼女というものは安定を求めてつくるもののはずで、やはり彼らにとっては期待外れになってしまう。私はいっそ常に期待にそぐわないセカンド愛人として生きていたいと願うわけだが、恋している男の子が女遊びをしない不器用で純粋で真面目な男だとしたら、そう簡単にもいかないのだ。